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2027年の税制改正で何が変わる?不動産・株の売却益に影響する増税と2026年中の対策

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相続不動産の売却と譲渡所得税|特別控除の改正前後の違いと注意点

最近、「2027年(令和9年)から“超高所得層の追加課税”が強化される」「不動産や株の売却益が大きい人は、2026年中の譲渡が有利かも」といった話題を、YouTubeやWEB記事で目にした方もいると思います。税制は細かいですが、“特別控除額”と“税率”が同時に変わると、年をまたぐだけで追加納税の判定が変わることがあります。

この記事では、一般に紹介されている改正内容(特別控除額の半減・税率引上げ)を整理しつつ、不動産実務の観点から「どんな人が影響を受けやすいか」「売却の段取りで何に気をつけるか」を、数値例も交えて解説します。

相続不動産の売却と譲渡所得税の計算をイメージした図

参考情報の要点整理

一般的には、次のように言われています

  • 2027年分以後の所得税で、極めて高い水準の所得に対する追加課税(いわゆる最低負担税率の仕組み)の見直しが予定されている。
  • 見直しの柱は、特別控除額が3.3億円→1.65億円に半減し、税率が22.5%→30%に引き上がる点である。
  • 分離課税(不動産の譲渡所得、株式譲渡、配当など)の割合が高い人ほど、通常の所得税負担率が相対的に低くなりやすく、追加納税が生じやすいとされる。
  • 適用は2027年分以後であり、売却益がどの年の所得になるか(「譲渡の日」)によって影響が変わり得る。

不動産エージェントとしての解説

改正前後で何が変わる?「特別控除額」と「税率」の差が効く

今回のポイントは、追加課税の計算で使う控除額が半分になり、さらに税率が上がることです。記事で示されている計算の枠組みは次のとおりです(用語は一般的な呼び方に合わせています)。

追加課税の計算イメージ(概念)

改正前(~2026年分):(基準所得金額-3.3億円)×22.5%-基準所得税額

改正後(2027年分~):(基準所得金額-1.65億円)×30%-基準所得税額

※「基準所得金額」「基準所得税額」の範囲には、確定申告不要制度を使える上場株式の配当・譲渡なども含まれる整理が示されています。数値の取り扱いは状況で変わるため、最終判断は税理士等で確認が必要です。

付帯的な数値例:同じ“基準所得金額”でも, 追加課税の出方が変わる

ここでは仕組みが伝わるように、まずは「差が出る部分」だけを見ます。たとえば、基準所得金額が4億円だとします。

  • 改正前:(4億-3.3億)×22.5%=0.7億×0.225=0.1575億円(1,575万円)
  • 改正後:(4億-1.65億)×30%=2.35億×0.30=0.705億円(7,050万円)

この段階で、“算定の土台”が約5,475万円広がる計算になります(7,050万円-1,575万円)。実際の追加税額は、ここから「基準所得税額」を差し引いて決まるため、必ずしも上記がそのまま納税額になるわけではありません。しかし、控除が半減し税率が上がることで、追加課税が“出やすい方向”に動くことは読み取れます。

注意:数値例は「理解のための単純化」です

実務では、給与・事業所得など総合課税の有無、譲渡所得の内訳(不動産・株式)、源泉徴収の取り扱い、控除関係などで「基準所得税額」が変わります。したがって、売却を“年だけ”で決めるのは危険です。必ず税理士の試算と、売却条件(価格・時期・手続き)をセットで検討してください。

現場で多い誤解:「2026年中に売れば得」と決め打ちしてしまう

売主さまの相談で実際に起きやすいのが、「増税前だから急いで売る」と先に結論を置いてしまい、価格交渉で不利になったり、売り方を誤るケースです。不動産は税だけでなく、成約価格・引渡し時期・買主の融資で結果が大きく変わります。数%の値下げが、節税効果を上回ることも珍しくありません。

都市部・郊外・相続案件で「間に合う/間に合わない」の差が出る

同じ“売却”でも難易度は物件で違います。都市部マンションは買い手が多い一方、年末に近いほど「期限が迫る売主」は交渉で不利になりがちです。郊外の戸建や空き家は、買主の検討期間が長く、リフォーム見積や住宅ローン審査で時間が伸びます。相続不動産では、相続登記・遺産分割・共有者の同意が前提になるため、売出しまでに数か月かかることもあります。

相談例1:相続した空き家を売りたいが、名義が未整理

「今年中に譲渡したい」と思っても、相続登記が未了で、遺産分割協議がまとまっていないと、売買契約の入口に立てません。税制の有利不利以前に、名義・権利の整理がボトルネックになります。まずは司法書士と登記・分割の段取りを付け、並行して査定と売却戦略を組むのが現実的です。

相談例2:収益物件の売却益が大きいが、賃借人がいる

賃借人付き(オーナーチェンジ)は、買主の評価が利回り中心になり、空室物件と相場の見方が変わります。「急いで空室にして高く売る」と考えても、立退き交渉や空室期間で収支が崩れ、トータルで損になることがあります。税だけでなく、運用収益と売却価格の両方で判断する必要があります。

読者向けの具体的アドバイス

まずは「影響を受ける可能性があるか」を簡易チェック

最初にやること(優先順位)

  • 年間の所得イベントを棚卸し:不動産売却益だけでなく、株の譲渡益・配当・役員報酬・退職金など、同じ年に重なる可能性を一覧化する。
  • 売却益の概算:取得費(購入代金・仲介手数料・改良費等)と譲渡費用(仲介手数料・測量費・解体費等)を集め、概算の譲渡所得を出す。
  • 時間がかかる要因の洗い出し:境界・測量、越境、私道、借地借家、再建築不可、共有、相続登記などを早めに確認する。
  • 税理士×不動産会社で同時に設計:税務試算と売却スケジュール(売出し~契約~引渡し)をセットで組む。

今すぐやらなくていいこと(やりがちな失敗回避)

焦りやすい局面では、値下げ前提で売出す、大規模リフォームを先にする、根拠の薄い節税策に飛びつくといった判断が起きがちです。まずは現状での需要と価格帯を把握し、売却戦略(媒介契約・販売方法・内覧導線)を整える方が、結果として手残りが増えやすいです。

専門家に相談すべきタイミング

この条件に当てはまるなら、早めの相談が安全です

  • 不動産や株の売却益が大きく、配当・退職金など他の所得も重なる可能性がある
  • 相続不動産で、相続登記未了・遺産分割未整理・共有名義が絡む
  • 境界未確定、測量が必要、越境・私道など権利関係が複雑
  • 賃借人がいる、立退きや契約条件の調整が必要

税務は税理士、権利関係は司法書士、価格と売却戦略は不動産会社が得意分野です。早い段階で役割分担を作ると、譲渡時期の選択肢も、条件面の選択肢も広がります。

まとめ

2027年分以後の見直しでは、追加課税の算定に使う特別控除額が3.3億円から1.65億円へ半減し、税率が22.5%から30%へ引き上げられる方向が示されています。これにより、分離課税の比率が高い方は、売却の年回りで影響が出る可能性があります。

ただし、不動産実務では「税だけ」で売却を決めると、売り急ぎの値下げや、相続手続き・測量・融資などの遅れで、かえって損になることがあります。①所得イベントの棚卸し、②概算試算、③スケジュールの現実性を押さえ、税理士・司法書士・不動産会社と連携して、納得感のある出口戦略を組み立てていきましょう。

※本記事は、一般的な情報を参考に不動産実務の視点で整理したものであり、個別の事情によって判断は異なります。 一部イメージ作成にAIを活用しています

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村中 健治
村中 健治
1棟収益不動産の売却・出口戦略と相続実務に強い不動産エージェント
村中 健治 / Kenji Muranaka
不動産エージェント

◆不動産売買・相続不動産・親族間売買・任意売却・収益不動産の相談に対応しています。
価格や利回りだけでなく、税金・相続・融資・出口戦略まで含めて、実務目線で判断をサポートします。

◆保有資格
宅地建物取引士 / 2級ファイナンシャル・プランニング技能士 / 上級相続診断士 / 証券外務員一種

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関西圏を中心に全国対応
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